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迷ったあげくに883

 ハーレーが欲しいといっても、何もハーレーのことを知らない状態でしたので、雑誌を買ってきて調べました。そこで、ハーレーにスポーツタイプのバイクがあることがわかりました。私にとっては予想外でした。スポーツスターという名前。排気量は1200ccと883cc。
 
 はじめに目を奪われたのは1200Sでした。ブレーキといいサスといい、まったく国産のスポーツバイクと同等だと思いました。「買うのだったらこれかなー。」と考えつつ調べていると、1200と883ではエンジンの性格に大きな違いがあることがわかってきました。『883のエンジンはボアが1200よりも小さいため相対的にロングストローク…』『フライホイールも相対的に重く…』『鼓動感は883のほうが上…』などの雑誌の文章に目がとまります。どうやらエンジンとしては883のほうが私の好みに合っているようです。しかし車体の装備の点では1200Sに軍配が上がります。883を買ってきて足回りを1200Sと同レベルにまですると、大変な金額になってしまいます。
 
 一度乗って確かめることにしました。和歌山にハーレーのレンタルをしてくれるショップがあり、そこで1200Cを借りることができるのがわかりました。エンジンは1200Sと同じですから、フィーリングはつかめます。クルマに乗ってそのショップまで行き、バイクを借りて走りました。
 乗ってみると、1200のエンジンのフィーリングは鼓動感よりも爆発感の方が強い感じでした。それに速すぎる。沖縄で乗った感じとはだいぶ違いました。
 
 その後いろいろ考えました。…とにかく沖縄で乗ったエンジンの感じが忘れられない。 1200ではあの感じと少し違う。883は乗っていないからわからない。それにエンジンはよくても883は廉価版だから車体の装備がちょっと…。
 
 その年(96年)の9月まで8ヶ月間、1200か883かで悩み続けました。ハーレーは毎年9月にニューモデルが発表されます。
 「やっぱりエンジンで選ぼう。(相対的)ロングストロークの883がいい。」
 883の黒を買うことに決定しました。
 すぐに予約しました。いつごろの納車かとの問いにディーラーの人の答えは「10月半ばぐらいかなー」でした。
 
 納車されたのは12月でした。 


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