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本とのつきあい 「わからなくなったらあとまわし」のために
『今日から読みます 英語100万語!』(古川昭夫・河手真理子 著 日本実業出版)という本があります。初心者が英語の本を読みながら英語を学ぶときのアドバイスが書かれています。とてもよい本です。
この中に、本を読んでいて「つまらなくなったらあとまわし」にしなさい、ということが書かれています。これは大切なルールだと思います。英語の本を読んで勉強するときは、私もこれを守るようにつとめています。守るようにつとめている、というのはこれを守るのが結構むずかしいからです。わからなくても無理して読もうとしてしまうのです。それで結果、もうわからん!と、いやになってしまい、二度とその本を開かなくなってしまいます。
無理せず、早めにやめて,、自分が理解できる本を読めばいいのです。それでしばらくすると、前に読めなかった本がいとも簡単に読めるようになるのです。これは本当です。
これは、英語の本に限らず、日本語の本でも当てはまると思います。普通の本でも、わからなくなってきたらあとまわしにすることをお勧めします。
本を読んでいて、わからなくなったときのために、常に3,4冊平行して読むことをお勧めします。それぞれの本の内容がごちゃ混ぜになると心配ですか?そんなことはありません。レンタルビデオで映画を途中まで見てあとまわしにしても、そのストーリーが、連載中のマンガの内容とごちゃ混ぜにはならないでしょう。
自分が買う本がいつもおもしろい本であるとは限りません。ですから、書店で「おもしろそう、読みたい」と思った本は迷わず買うべきです。本の買い惜しみはしないほうがいいです。堀場雅夫氏は、「手ぶらで書店から出てきてはいけない」と言っていますし(『仕事ができる人できない人』 三笠書房)、立花隆氏も、本は基本的に情報量に比して金額は安いものと言っています(『ぼくはこんな本を読んできた―立花式読書論、読書術、書斎論』 文春文庫)。
野球のバッターでも3割打てれば十分なので、本を買うときも、10冊に3冊くらい、いいものにあたればそれで十分なのではないでしょうか。
それに、調子が出てくると、どんどん読めるようになるので、「つまらなくなったらあとまわし」のルールを守るには、どんどん買わないと、追いつかなくなります。
そんなに読んでも仕方がないと思われる方がおられるかもしれませんが、それは間違いです。料理を作るのに食材が必要なように、言葉にもその材料が必要です。材料はいいものが多くあるに越したことはないでしょう。
言葉という料理を作るには、その食材にあたる情報や知識が必要なのです。
現代はネゴシエーション(交渉)の時代です(『ヤクザに学ぶ圧倒的交渉術』山平重樹
著 幻冬社アウトロー文庫)。言葉の重要性はますます高まっています。
言葉は人を勇気づけたり、自分や他の人の目を開かせたり、あっと言わせることができる力のあるものです。映画 バベットの晩餐会 の料理人のように言葉を使いたいものです。
2003.
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