しんのすけの世界 TOPへ
 

 気になる言葉 ―― コミットメントフォビア


 先日ネット上をうろうろしていると興味深い記事に出会いました。


結婚恐怖症が蔓延するニューヨーク http://www.cafeglobe.com/lifestyle/cityguide/newyork/love/20000619.html より


 ここで、結婚恐怖症と翻訳されている言葉は、コミットメントフォビア(commitment phobia)です。
 この言葉の意味するところは、一概に、結婚に対する恐怖感をもっているという狭い意味より、commitすること(もともとは、ラテン語で、人を呼び集める、ゆだねるの意味)、つまり、[・・・するという]約束、公約、義務、責任をはたすこと、に対する、phobia([常習的、一時的]恐怖症)であると、私は思います。

 ここで取り上げられている、コミットメントフォビアな人たち、私からみてこれは人ごとじゃないんじゃないかなーって思います(ヤバっ!)。現代生活において、一人で過ごすことはどんどん快適になってきているように、私は思います。自分で自分を楽しませたり、勉強したり、体を鍛えたり、人間関係を広めたりすることがとても簡単になってきています。これらを可能にするインフラストラクチャーが整ってきています。私も、一人で、自分の好きなことに熱中していると、幸せだなーって、思いますね(ますますヤバい!)。

 かえって、だれかと何かを一緒にしたいという気持ち、これ自体は全くなんの問題もないのですが、それが度をいきすぎると、とんでもないことになるようです(詳しくは、岩下久美子 著 『人はなぜストーカーになるのか』 や、衿野未矢 著 『ひとりになれない女たち』  などを、参照いただければと思います)。


 あと、何かに対する強烈なコミットメントは、原理主義的にもなるだろうし、テロリズムにも結びつきやすく、危険な面があることを意識する必要があると思います。


 日和見主義でなくて、立場や意見を柔軟に変えられること、そして、コミットメントすべきところには、しっかりとコミットすること。
 このバランスが大切なんでしょうね。(←そんなんむずかしいっちゅうねん!)


 おもしろいことに、コミットメントフォビアの専門サイトがあるんですね(commitment-phobia.com)
 今度、抜粋して、翻訳しようと思っています。少々、お待ちを。



 加えて、余談ですが、実際は、どんな人でも(コミットメントフォビアな人でも)、心の奥底には「見捨てられることへの恐怖」というものがひそんでいるので、オレは一人で生きられる!とか、一人でハッピー!などと完全には思えないものなのです。
 これについては、ピア・メロディ 著 『恋愛依存症の心理分析』 をご参照ください。



 参考文献:ジーニアス英和大事典 大修館書店



                             04. 3.12

 
                        しんのすけの世界 TOPへ