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 be→am,are,is・・・
 [beがなぜam,are,is・・・と変化するのか]




 I am a student. このamはbe動詞の変化したもので、I のあとにはam としないといけないと教えられます。
 You are beautiful. このareもbe動詞で、You につける場合はareとしなくてはなりません。
 This is a pen. このisも同じくbe動詞が変化したもので、この場合のようなとき(3人称 単数 現在)にはisが使われます。

 なぜなのでしょう。おかしいとは思われませんか?
 上の文を日本語にしてみますと、「私は学生です。」「あなたは美しい。」「これはペンです。」となり、be動詞にあたるところがみな「」ですまされています。
 
 結論を言えば、個別性や独自性が強く意識されているから、です。英語の世界では、たとえ同じカテゴリーに属する(同じ名前で呼ばれる)モノあるいは人であっても存在のあり方(beのあり方)は違うと考えられます。(エッセイ 2. の "a"の謎とプラトン のイデア論を参照して下さい。)

 例を挙げて考えましょう。ここでは、doctor (医者)という言葉を使って、私、あなた、彼の違いを考えます。
 I am a doctor.
 You are a doctor.
 He is a doctor.
 上の文で、am,are,is とbe動詞が変化して使い分けられています。私、あなた、彼、は同じ医者であっても、そのあり方は違うのだ、というニュアンスを含んでいます。それぞれの違い、例えば外科や内科という違いがあるかもしれないし、医療に対する考え方が違うかもしれない。また、性格も違うでしょう。理想的な医者になろうと努力しても現実においては個別性が現れてしまうのは仕方ないのです。(be←理想、未来  am,are,is・・・←現実)
 
 しかし、これが未来の話や理想的な話、つまりイデアの世界に属する話となるとbeが使われるのです。
 I want to be a doctor.   私は医者になりたい。
 He will be a doctor next year.  来年、彼は医者になります。

 もうひとつ、beを使って・・・。
 「静かにして下さい!」と言うとき、"Be quiet!"といいますね。今、静かではない、これから(未来)静かになる、また静かにしてほしい(理想)、 だからbeを使います。その後、静かになったら、They are quiet. でありまた、He is quiet. なのです。


 イデアの世界に属する言葉としてbe、現実の世界ではそれが個別性を表すためにam,are,is・・・と変化すると考えていいと思います。


                                     2003. 4.28





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