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 金毘羅船船?  英単語しりとり&イメージ学習法



 大人であっても、英語を学びたいと思っておられる方は多いようですが、よく聞くのは、「もうこの歳では単語が覚えられない」、というセリフです。

 学生時代の一夜漬けの英単語丸暗記のイメージが消えないのでしょう。とても残念なことです。

 英語学習記 21.英単語の覚え方 (知らなかったらたいへんなことに!) の最後の方に書いたように、しりとり、というか連鎖式、というか、芋づる式の英単語の覚え方があるのです。ここでは、英単語を日本語に置き換えるのではなく、その単語の持っているイメージそのままで覚えることが大切です。

 例を出して考えてみます。

 先日、散髪をしてもらっていると(その店はいつもラジオをかけているのですが)、ラジオのパーソナリティーの方がこんなことを言うのが聞こえました。
 「・・・・で、今回、コンピレーションアルバムが発売されることになりました。しかし、最近横文字が多いですね。コンピレーションって何でしょう。金毘羅船船ですかね。あはは・・・。」

 コンピレーション アルバムとは、Compilation Album です。
 この、compilation、は、compileを名詞化したものです。で、このcompileを分解すると、com+pila となります。
 com-、これを含む言葉は多いですね。co-やcon-も同じですがこれらは、「共に」とか「一緒に」とかというニュアンスを持つものです。
 例、company→com(共に) panis(パンを食べる人たち)→会社
    computer→computeする者→com(いっぺんに)+putare「決算する、考える」→いっぺんに考えるモノ→コンピューター
    coworker→co(共に)+worker(働く人)→職場の同僚

 さて、compilation に戻りましょう。さきほど、com+pila と書きましたが、このpilaは、柱(pillar)のことです。クルマでもピラー(柱)ってありますよね(クルマの天井をフロントで支えるのがAピラー、中間で支えるのがBピラー、後部で支えているのがCピラー)。
 ですから、このcompilationという言葉には、柱を集めた、というニュアンスがあるのです。そこから、Compilation Album には、いろんな曲をまとめてひとつのアルバム(CD)にしたもの、複数のミュージシャンたちがそれぞれの曲を持ち寄ってひとつのアルバムにしたもの、というニュアンスが生まれます。


 もうひとつ、先ほど出た、ラジオ、radio を見てみましょう。
 音が聞こえるラジオも、クルマのラジエターも、語源は同じです。さらに言えば、ラジアルタイヤもラジウムも語源は同じです。
 つまりはすべて、放射に関係しています。
 ラジオ radio は、ラジオ放送局から、放射状に電波が出ているイメージです。
 ラジエター radiator は、エンジンの熱をまわりに放射しているイメージです。
 ラジアルタイヤ radial tire は、タイヤの繊維層が接地面に対して直角で、横から見ると、繊維が放射状に見えます。
 ラジウムは、アルファ線を放射します。

 この勉強法をやりだしたらきりがない(またそれも楽しい)のですが、連鎖的にイメージを膨らませていく学習法は、知らない単語が出てきたときに、ある程度の予想がつくという長所があります。ちょうど、私たち日本人が、読めないけれど意味がわかる(漢字で書かれた)言葉に出会うのと似ています。

 この学習法には、語源辞典が有効です。私は、「スタンダード語源辞典 大修館書店」を使っていますが、収録されている語数が少ないので、あまり満足していません。
 辞典ではありませんが、「語源で増やす英単語 恒石昌志著 ベレ出版」は、辞典としても使える良書です。
 ネットでは、SPACE ALC 語源辞典 をよく使います。


                  2004.10.28




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