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 英単語の覚え方 (知らなかったらたいへんなことに!)


 2004. 8. 3、こんなニュースがありました。

 米国シカゴのオヘア空港を離陸しようとしていたユナイテッド航空機内で1日、60代の日本人男性乗客が紙に英語で「Suicide bomb(自爆)」と書いているのを、他の乗客が見つけ、乗務員に通報した。同機は離陸を中止、男性は同空港警察に拘束されたが、新聞にあった言葉の意味を調べようとメモを取っただけだったとわかり、釈放された(gooニュース)。 

 意味がわからない単語だから、意味を調べようとしただけのことなのでしょうけれど、英語を話す人たちにとっては、「だいたい、bomb だけで、なんとなく意味がわかるやろ!」ってことになるでしょうね。
 それは漢字を使う人たちが「」という字だけで、爆発とか爆弾とかイメージできるのと同じことだと思います。
 もし、中国語が今の英語のように世界的に使われる言葉であれば、この男性も、こんなことにはならなかったでしょうに。


 さて、英単語の覚え方ですが、コツというものが実はあるのです。
 日本語には、日本に古くからある大和言葉と、中国大陸からきた、漢字を音読みする言葉とがありますね。これとおなじような事情を、英語も持っています。英語にとって、大和言葉に当たるのが、北欧ゲルマン語系からイギリスに入ってきた言葉です。音読みの言葉は、その後にイギリスに入ってきたギリシャ・ローマ系、つまりラテン語系ですね。

 ゲルマン語系の言葉は大抵単音節です。bang, hit, milk, fly, son など、一発で発音してしまう言葉です。このあたり、日本人は苦手ですね。milkは一発、一回で言い切らないといけないのですが、ミ・ル・クと3音節に分けてしまいがちです(中国語で「爆」も一回でいいきるんでしょうね)。

 ラテン語系の言葉は、その単語の中で分解可能なものが多いのです。ちょうど、漢字をへんやつくりに分解できるのと同じです(先ほどの「爆」はへんに「火」を持っているので、何か火に関係するものと分かりますよね)。


 せっかくなので、ここでの話題の 'suicide bomb' をつかって考えましょう。
 bomb はゲルマン系の言葉っぽいですが、もともとはギリシャ語でbombos、蜂がブンブン飛ぶ音から来ています。

 つぎに、suicide。これは、近代ラテン語の造語で、'sui(自身)'+'cide(・・・殺し)'、これで、自分自身を殺す、つまり自殺という意味を表します。ここでの、-cide という語は、切る、という意味もあり、decide(決定する)、という語は、de-(分離)+cide で、他のものからきっぱりと切り離すということで、決定する、決めるという言葉のニュアンスがでてきます。
 ほかに、sucideの仲間として、ecocide、なんてのもありますよ。ecoは生態のこと。これでおわかりでしょう。生態をcide(殺)する。つまり環境破壊のことです。


 ラテン語系のことばは、何か漢字っぽいなと私は思うのです。しりとりができるのです(自爆→爆発→発車→車輪→輪郭・・・のように)。
 しりとりのように、また、芋づる式に、英単語を覚えていくことができるのです。


 今回はこれくらいにして、次回に、具体的にしりとり方式をお見せしたいと思います。


 参考文献: スタンダード英語語源辞典  大修館書店
        ジーニアス英和大辞典  大修館書店
        語源で増やす英単語  恒石昌志 著  ベレ出版




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                            2004. 8.15