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「はい」='Yes' で、「いいえ」='No' か?


 「はい」='Yes' で、「いいえ」='No' か? つまり、この両者は、英語ー日本語間で、同じ使われ方をするのか、ということをここで取り上げたいのですが、結論を先に言えば、「はい」は'Yes' と同じでなく、「いいえ」も'No' と同じではありません。

 ここでも、先に結論を言いたいのですが、日本語における「はい」は、質問者の考えていること、または推測していることに同意する場合に使われていると、私は考えています。
 「いいえ」の場合は質問者の考え、推測に異議を唱える場合だけでなく、もうすこし広い意味での否定(事実がそうではないとか、また、相手に対する気遣いなど)にも使われているように感じます。


 職場で英語の研修を受けていたときのことです。その日は、10人ほどの受講者がおり、そのうち一人は女性でした。その女性は結婚はされていますが、子供さんはいません。
 その女性と、ネイティブスピーカーの先生とが英語でやりとりしていました。

 [先生] 'So, you are married.'
 [生徒] 'Yes.'
 [先生] 'But,you don't have a child,do you?' ←この質問はこの先生にとって彼女に子供がいないことが周知の事実であったうえでなされました。だから「子供はいないよね?」って感じが質問の仕方にでていました。

 そして、彼女の答えは、'Yes' でした。

 一瞬、???の沈黙があり、そして、先生は意味をつかみ(つまり彼女に子供はいないという意味)、会話はすすんでいきました。
 (日本に長く住んでいるネイティブの英語の先生は、このように、日本人の間違いやすい英語を、そのままで、理解できてしまうんですよね。ここが、いいとこでもあり、悪いところでもあります。)

 話をもとに、戻すと、この場面で、生徒である彼女は、「はい、子供はいないんですよ。」の意味で、
 'No.' もしくは、'No, I don't have a child.' と、言わなくてはならなかったのです。

 英語の 'Yes' 'No' の使われ方は、そこで使われているセンテンスが肯定か否定かに、依存します。ですから、「ぜんぜん、OKですよ!」の意味で、'No' が使われたり、「そうじゃないよ。」の意味で 'Yes' が使われたりということがおこってきます。


 例えば、

 'Do you mind if I ask your age?' 「あなたの年齢をたずねてもよろしいですか?(直訳すれば、あなたの年齢をたずねると、あなたは気を悪くしますか?)」
 'No,I don't. I am 32 years old.'
 「いいですよ。私は32歳です。」

 また反対に、
 'You don't care what happend to me!' 「オレがどうなろうとあんたは知ったことじゃないんだろ!」
 'Yes, I do.' 「そんなことないよ。君のことが気にかかるよ。」


 頭の中で、日本語で、「はい」と考えて、それを表現するとき、'Yes' の使い方には気をつけた方がいいですね。意味を逆にとられてしまう場合があります。
 なるべくこのような事態をさけるためには、「はい」の意味で、'OK' とか、'right'、また、ちょっとあらたまっていますが、相手の意見に同調するときは、'I agree with you.' を使ってみてもいいかもしれません。


                              2004. 3.12




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