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語源でGO!
英語を学びたいと思っている人は本当に多いですね。私も先日、職場の先輩が、英語ができるようになりたいとおっしゃるのを聞きました。しかし、彼は、「単語が覚えられない。」というのです。学生のときの英単語の丸覚えのイメージが強いのでしょうか。意欲はあるのにやり方がわからないってほんとうに残念です。
実は、単語の覚え方というか、その単語がわからなくても、ある程度の意味の推測の仕方というものがあるのです。
英語の言葉には、北欧ゲルマン語から入ってきたものと、ラテン語から入って来たものの、2種類があります(『新 本当の英語がわかる』ロジャー・パルパース著 新潮選書)。
このあたり、もともと日本にあった大和言葉と中国大陸から来た漢字の言葉の事情に少し似ています。漢字というものは読めないものであっても、意味がなんとなくつかめることがあるでしょう(魚へんであれば、何かのさかなの名前かな、とか、草かんむりがついていたら草木に関することかなとか・・・)。
ここではラテン語から来た言葉が漢字のようなものと言えます。ラテン語系英単語は一つの単語をその中でいくつかに分割することができるのです(漢字をへんやつくりに分割できるように)。
もう少し言えば、英語にラテン語系として入ってきた言葉には、ギリシャ語系のものも含まれます(このあたりの事情はローマ帝国の歴史を調べられることをおすすめします)。英語の単語の60%はラテン語、12%はギリシャ語に由来しているそうです(『語源で増やす英単語』恒石昌志 著 ベレ出版)。
漢字について言えば、へんやつくりに分割できますから、例えば貝というへん(購、財、貯・・・)の漢字はお金に関することが多い(古くは貝がお金の役割をになっていたから)とか、月というへん(肌、肝、肺・・・)の漢字は人間の体に関することが多い、ということができます。
ラテン語系、ギリシャ語系の英単語も事情はよく似ています。
ではさっそくやってみましょう。
まずはギリシャ語系から。
telephone(電話)、この tele- はギリシャ語で「遠くはなれて」の意味です。
つまり、tele-(遠)phone(音) というわけです。
他には、
tele-(遠)pathy(心) telepathy(テレパシー)
tele-(遠)vision(見る) television(テレビ)
telepathy(テレパシー)の-pathyは「感覚」のことです。これは、シンパシーを感じるのsympathy(共感、共に感じる心)も同じですね。
ついでにsym-もやてみましょう。これはいい例があります。共にするもの、同じものの代表格、synchronized
swimming(シンクロナイズドスイミング)。日本語の日常の会話でもよく「シンクロする」っていいますよね。
さらに、synchronizedのchronは「時間」の意味のchronosから派生した言葉です(時計でセイコー クロノスってあったように思うのですが・・・)。
さっき例に出したtelevision(テレビ)。このvisionは「見る」ですが、ラテン語でも「見ること」を visio といいます。このあたりからvideo(ビデオ)という機器名がきているのでしょう。
話がギリシャ語からラテン語方面に来たので、ラテン語のほうに入りましょう。この「見る」という visio
を語源として、「見る、訪ねる」という意味で、英語のvisit(訪問する)が生まれました。また、語源が同じものとして、visa(査証、ビザ、見られたものが原義)もあります。
あと、いま皆さんが向かっているcomputer(コンピューター)。
これはcom-(共に)putare(ラテン語「決算する、考える」)-er(-する人、もの)で、ラテン語系の言葉です。
com-(共に)を使う言葉はイメージしやすいと思いますよ。
company com-(共に)pany(パンからきたことば) 共にパンを食べる←会社
combat com-(共に)bat(棒で打つ) 共に棒で打ち合う←戦闘
competition(競争 ゴルフのコンペなんていいますね)、このcompetitionの動詞形はcompete、つまり
com-(共に) petere(求める ”ラテン語より”) 競争する、という意味の単語です。
このように、連鎖式に言葉をイメージしていくと止まらなくなります。また、知らない単語に出会っても、じっと見ていると、「なんとなくこういう意味かなー」と推測できることもあります。
とにかく、語源に触れる勉強法、みなさんもおためしあれ。
参考文献:
『スタンダード英語語源辞典』 大修館書店
『新 本当の英語がわかる』 ロジャー・パルパース 著 新潮選書
『語源で増やす英単語』 恒石昌志 著 ベレ出版
『講談 英語の歴史』 渡辺昇一 著 PHP新書
『連鎖式 英単語事典』 ホリム・ハン著 三修社
2004. 2. 3
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