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ゲニウス?? ダンガー?? ・・・・発音間違いはアホじゃない!
先日、バスに乗っていると、高校生の女の子3人が、英単語の意味の話題で盛り上がっていました。テストの直前のようでした。ひとりが英単語の質問を出し、他の二人がその意味を答えていました。私も心の中で答えを考えたりしていました。わりと意味を当てることができて私も楽しくなってきました。しかし、答えられない質問が出てきました。「”ゲニウス”は?」と尋ねられたのです。私も「?」、女の子たちも「?」です。質問役の子は答えを言いました。「『天才』やで」。
・・・・・天才?。それって、ジーニアス(genius)やん!
このできごとのあと、あることを思い出しました。私が高校生だったころの英語の授業でのことです。
先生は『危険』の意味の英単語が何かを質問しました。だれも答えられないので、先生はヒントを出しました。
「ほら、お前らも見たことあるやろ。道路に看板が出てあって、よくカーブなんかにあるやろ・・・。」
そう言われて、クラスの2、3人がボソボソと言いました。「ダンガー・・・」。
それを聞いて先生は言いました。「アホかお前らは!デンジャー(danger)やろ!」
私のクラスメートはアホなのでしょうか?バスの高校生もアホなのでしょうか?
私の考えではこれは違います。というより、これは自然なことです。これと同じような例は他にも見られます。
ヘブライ語(旧約聖書はこれで書かれている。イスラエル建国とともに現代ヘブライ語復活。)の文字に母音はなく、子音しかありません。ですから、文字を見ただけでは発音の仕方はわからないわけです(アラビア語も同じような事情のようです)。
しかし、通常問題になることはありません。身近な言葉であれば子音だけで意味も発音もすぐにわかるからです。これは、私たちの身近な例にも見られます。
ホンダの車にステップワゴンというのがありますね。車体に”STEP WGN”と書かれてあります。この”WGN”を見たとき、ほとんどの人は「ワゴン」と読めます。”WAGON”と書かなくても、大多数の人が知っているのであれば、省略できます。これは、限られたスペースに意味を凝縮して表示するのに有効な手段です。昔のように紙などが貴重だったころには当然だったでしょう。(”WGN”以外にもオリンピックなどの際の国の表示の時もこの手法がとられています。例:JPN→ジャパン など)
”WGN”を「ワゴン」と発音できればいいのですが、やはり人によって読めない場合も出てきます(ウグンかな?ワギャンかな?って感じ)。ヘブライ語も事情は同じで、一般的でない言葉や外国人のために母音記号を表記する場合があります。
そもそも、文字と発音にはこのような問題はつきものなのです。
私のクラスメートにアホと言った先生はいい先生ではなかったと、今になって思います。「ダンガー」をきっかけにして、文字表記と発音の関係、また紙を節約するなどのフォーマットとの兼ね合いなど、生徒の興味をひく話ができたはずです。そしたら、当時の私も含めて、もっと生徒は言葉というものに興味を持てたでしょう。「アホ」で終わりはひどすぎます。
参考URL:http://dateiwao.fc2web.com/hebrew.htm
http://dempa.2ch.net/prj/page/mona3/arabic.htm
2003.
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