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 過去分詞とは何か 


 長年、私が誤解していたものの一つに”過去分詞”があります。つい最近まで、「過去分詞って何かなー?過去よりもっと前の過去のことかなー?」などと、まちがった感覚をもっていました。やっかいなことに学校教育の中で、「とにかく、have + 過去分詞で現在完了」とか「be動詞 + 過去分詞で受動態」とか、おかしな呪文のような感じで頭に植え付けられていたために、英文を読んでもへんに中途半端な理解で来てしまっていました。 

 過去分詞とは何か? これについて、ここでは、とにかく時制のことではない、時制を問題としない、ということを書きたいと思います。

 私自身、なぜ、「過去分詞は過去よりもっと過去?」などという、まちがった理解、つまり、過去分詞は時制に関係のあるものという間違った理解をしていたかは、不規則動詞の変化を覚えさせられたのと関係があるのではないかと思います。

 皆さんも中学生のころ、こんな感じの変化表を見ながら暗記に励まれたのではないでしょうか。

(例) 現在 過去 過去分詞
eat eat ate eaten
give give gave given
write write wrote written


 現在、過去、と来て、過去分詞と書いてあれば、過去よりもっと過去?などと考えてしまいがちだと思うのですがどうでしょうか?(私だけでしょうか?)

 過去分詞とは、時制がどうこうではなく、”〜な”という感じの言葉、形容詞のような、ものごとを修飾する言葉、ときには”すでに〜済みの”という訳語をあててもいいかもしれません(これには現在分詞も関わってくる問題ですが、それはまたの機会にします)。
 
 日本語として使われている言葉にも、過去分詞がよく登場します。
 フライド・ポテト、プリペイド・カード、ボイルド・ウォーター、(野球の)コールド・ゲーム、(よくクルマなどに貼られている)パワード・バイ・〜。ここで、それぞれ「ド」がついているのが過去分詞です。
 フライド→fried(fry済み)、プリペイド→prepaid(pre[前もって]pay済み)、ボイルド→boiled(boil済み)、コールド→called(callされた、ゲーム中止の宣告がされた)、パワード→powered(powerの供給をすでに受けている)。

 変化表は時制を問題にしているのではなく、言葉の変化の形を問題にしています。

 動詞の変化自体は、過去、過去分詞以外にいろいろあります。現在分詞、動名詞、不定詞など、また、言ってみれば、三・単・現のsなんかも加えてもいいかもしれません。これらの変化に例外はありません(現在分詞、動名詞ともに-ing。不定詞は動詞の前にtoをつける)。英語はどんどん不規則変化を失っていったので、いまでは過去、過去分詞のみにしか、動詞の不規則変化は残っていないのです。

 もし、三・単・現が、いつでもsをつけるというものでなく、ときどき別の変化をするようなものであったとしたら、不規則変化表に加えられていたことでしょう(英語以外のヨーロッパ語の変化表は実際、大掛かりです)。

 乱暴ですが、動詞の不規則変化の丸暗記はあまり意味がありません。もしかしたら将来はすべて-edで済まされているかもしれません。そんなことより、それぞれの形の言葉の持つ感覚(ニュアンス)をつかむ方が大切だと、私は思います。
 来るべき情報社会においては、何を知っているかよりも、それをどのように理解しているか、が問われます。

                   

                                           2003. 5.31

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